第9回 玉川上水小金井周辺流域で11月に見られる草木の花や実

小金井の11月は、ケヤキやサクラなどの様々な木々やつる植物が紅葉しはじめ、様々な植物の実が熟す季節です。

 

伐採区域ではナンテンハギやヤマハギ、ノギクなどの花が見られますが、花の盛りはすでに過ぎ、ほそぼそと咲かせているようです。大量伐採後に萌芽して藪のようになった木々や、柵内外に植えられたサクラが紅葉しています。ノブドウやエビヅル、ヒヨドリジョウゴ、ツルウメモドキなどのつる植物や、伐採を免れたマユミの木が実をつけました。切られてしまったものの、萌芽して実がなるまでに至ったのはクサギです。

 

雑木林区域では、伐採区域でも見られる花や実だけでなく、イイギリ、エノキ、クロガネモチ、ムクノキなどの高木、シロダモやマユミ、ムラサキシキブなど低木の実がしっかりと熟し、鳥の訪れを待つ様子が観察できます。それらの木々やケヤキなどの紅葉も楽しむことができます。

 

冬の玉川上水の小金井周辺流域では、メジロやヒヨドリ、シジュウカラをはじめ、ジョウビタキやヤマガラ、モズ、ツグミ、エナガ、コゲラ、アオゲラなどさまざまな鳥が訪れます。彼らは草木の実や、草木を根城にする生きものを食べにやってくるのです。ここ数年で、伐採区域では多くの木々が失われました。餌場をなくした鳥たちは、今年はどこで見られるでしょうか。

 

※写真はクリックすると拡大します。

それぞれの花について

アオツヅラフジの実
アオツヅラフジの実
アカネの実
アカネの実
エビヅルの実
エビヅルの実
カラスウリの実
カラスウリの実
クズの実
クズの実
センニンソウの実
センニンソウの実
ツルウメモドキの実
ツルウメモドキの実
ノブドウの実
ノブドウの実
ヒヨドリジョウゴの実
ヒヨドリジョウゴの実
ヘクソカズラの実
ヘクソカズラの実

つる植物 (以前にも紹介しているため、それぞれの説明は省きます。)

 

一般的につる植物は日当りの良い場所を好みます。小金井周辺流域では、伐採区域や雑木林区域の開けた場所でよく見られます。

 


イイギリの実
イイギリの実

イイギリ

樹木です。小さな赤い実をブドウのようにぶら下げます。雑木林区域で数多く見られます。

 


エノキの実
エノキの実

エノキ

大木になります。オレンジ色の小さな実をつけます。やや甘い味がします。実は鳥が好みますが、葉はチョウ、幹はタマムシなどの住処や餌になります。たくさんの生きものを支える木です。伐採区域にあった大木は今年2月に伐採されました。

 

 


クサギの実
クサギの実

クサギ

樹木です。ピンク色の殻が破れて藍色の実が出てきます。伐採区域では、伐採されたにもかかわらず花を咲かせ、実をつけました。生命力の強い木です。雑木林区域でも伐採区域でも見られます。

 


クロガネモチの実
クロガネモチの実

クロガネモチ

樹木です。小さな赤い実を枝いっぱいに付けます。雑木林区域でわずかに確認されています。

 

 


シロダモの実
シロダモの実

シロダモ

樹木です。2㎝程度のやや大きめの赤い実をつけます。実をつけている時期の長い植物です。雑木林区域でよく見られます。

 


マユミの実
マユミの実

マユミ

樹木です。可愛らしい実を枝いっぱいに付けます。熟すとピンク色の殻が割れ、赤い実が出てきます。メジロやヒヨドリが好んで食べに来ます

 

 


 ムクノキの実
ムクノキの実

ムクノキ

大木になります。実は熟すとレーズンのようにシワシワになります。味もどことなくレーズンのようです。大きな木にたくさんの実をつけるので、多くの鳥たちの食糧となります。伐採区域にあった大木は今年2月に伐採されました。

 

 


ムラサキシキブの実
ムラサキシキブの実

ムラサキシキブ

樹木です。小さな薄紫色の実を房状に付けます。雑木林区域でわずかに確認されています。